「今の仕事を続けるより、飲食の仕事に挑戦したい。でも、未経験から転職して生活を維持できるだろうか」
働いた経験がある人の転職では、仕事内容への興味に加えて、これまで築いた収入や立場をどう変えるかが問題になります。飲食の技術はこれから学ぶとしても、社会人として積んできた経験までなくなるわけではありません。
飲食業への転職は、今の仕事から何を変えたいのか、前職の経験をどこで生かせるのか、転職後の条件で生活を続けられるのかを合わせて判断しましょう。
この記事では、他業種で働いてきた人に向けて、転職理由の整理、年収と勤務条件の比較、入社後に任される仕事、応募時の経験の伝え方を説明します。求人の魅力だけで決めず、今の仕事を離れて選ぶ理由があるかを考えるための記事です。
目次
飲食業への転職で、今の何を変えたいのか
今の不満と、飲食で実現したいことを分ける
収入を上げたい、働く時間を変えたい、人と直接関わる仕事がしたい、調理の技術を身に付けたい。転職の理由によって、選ぶべき求人は変わります。
たとえば、今の仕事の長時間労働を変えたいなら、飲食業に移るだけでは解決するとは限りません。応募先の勤務時間と人員体制を確かめ、今より負担を減らせるかを判断する必要があります。
一方、調理を仕事にしたいなら、入社時の収入だけでなく、どんな技術を身に付け、その後どの仕事を任されるかも大切です。「飲食に興味がある」から一歩進めて、転職で得たいものを具体的にしましょう。
今の職場への不満を解消できることと、飲食で働く目的を満たせること。この二つが重なる応募先を探します。
譲れない条件と、受け入れられる変化を決める
他業種への転職では、職種、役職、給与、勤務時間をすべて今までどおりにできるとは限りません。だからこそ、求人を見る前に優先順位を決めておきます。
- 毎月の生活を維持するために必要な収入
- 家族との生活や自分の予定を守るために必要な休日・勤務時間
- 転居や店舗間の異動を受け入れられる範囲
- 収入や役職が変わっても得たい経験・技術
たとえば、役職がなくなることは受け入れられても、住宅費や教育費があるため収入を大きく下げられない人もいます。その場合は「未経験だから仕方ない」と条件を下げる前に、前職の経験を評価する募集がないかを探す余地があります。
入社時の月給だけでなく、転職後の生活を比べる
現職と応募先の収入を同じ条件で並べる
月給の表示だけで決めると、賞与や手当の違いを見落とします。現職の給与明細や賞与の実績と、応募先から提示された条件を同じ項目で並べてください。見る項目の分け方は求人条件の比べ方にまとめています。
入社後しばらく昇給がなくても、その条件で生活を続けられるか。 家計に使える金額と毎月の支出を照らし合わせて、受け入れられる範囲を決めましょう。
休日数に加えて、家族との生活や勤務の変動を見る
勤務条件は、一人で働けるかだけでなく、今の生活を続けられるかという視点で確かめます。
子育てや介護などで決まった時間に予定があるなら、早番・遅番の時刻、シフトが決まる時期、希望休の扱いを確認します。通勤できる店舗が限られるなら、最初の配属先だけでなく、他店への応援や異動の範囲も質問します。
面接では「通常月と繁忙期で勤務時間はどう変わりますか」「欠員が出たときは、誰がどのように対応しますか」と聞くと、求人票の数字だけでは見えない負担を確かめられます。
長く働くつもりなら、役職が上がった後の働き方も確認したいところです。店長になると収入がどう変わり、どこまでの責任を負うのか。昇進の魅力と負担を一緒に見ておきましょう。
未経験で入社した後の役割と、経験を積む道筋を確かめる
「店舗スタッフ」「店長候補」の名前だけで選ばない
転職先を選ぶときに知りたいのは、接客や調理の作業名だけではありません。入社時に期待される役割と、その後に任される仕事です。
たとえば、前職で部下の育成や売上管理をしていた人が「店長候補」に応募する場合、現場の業務を覚える期間と、管理を担当し始める時期を分けて聞きます。役職名だけで、前職と同じ裁量や給与になると考えないようにしましょう。
調理の技術を身に付けたい人は、調理を担当する範囲、担当を広げる基準、その先に目指せる役割を確かめます。将来は独立したい場合も、その職場で売上・原価・人員の管理まで経験できるのかは別に確認が必要です。
仕事内容や働く場所を広げて検討したい人は、飲食の仕事内容と働く場所も参考にしてください。
教育と評価が、入社後の役割につながっているか
未経験での転職でも、採用される以上は期待される仕事があります。前職の経験を生かせる部分と、新たに覚える部分を、入社前にすり合わせましょう。
面接で確認したいのは、次の点です。
- 入社後、どの段階で何ができるようになることを期待されるか
- 誰が習得状況を確認し、仕事の担当範囲を決めるか
- 昇格や昇給は、何を基準に判断するか
「経験を評価します」「将来は店長になれます」だけでは、転職後の見通しは立ちません。自分に適用される条件と、あくまで将来の可能性として説明されていることを分けて確認してください。
資格の取得を考えている場合も、応募に必須なのか、配属や待遇にどう関係するのかを先に確かめます。仕事との関係は飲食の仕事と資格で整理しています。
前職の経験を、応募先で任される仕事につなげる
業界経験と、社会人としての経験を分けて伝える
飲食の実務経験がなくても、顧客対応、売上管理、仕入れ・在庫管理、人材育成、業務改善など、前職で担っていたことは応募時に説明できます。ただし、どの経験を評価するかは応募先によって違います。
たとえば小売業で売上や在庫を管理していた人なら、担当した範囲、課題、改善のために行ったことを整理します。部下の育成をしていた人なら、指導した内容や、仕事を任せるまでに工夫したことを伝えます。
「未経験ですが頑張ります」で終わらせず、何を生かし、何を学ぶ必要があるかを具体的に伝えることが大切です。
志望理由を、転職の目的と応募先の仕事で説明する
志望理由では、今の仕事を辞めたい理由だけでなく、なぜ飲食業なのか、なぜその会社なのかをつなげます。
整理する順番は、「転職で実現したいこと」「その会社で担当したい仕事」「前職から生かせる経験」「入社後に身に付けたいこと」です。
たとえば、接客の経験を生かして店舗運営まで担当したいなら、接客が好きという話だけで終えず、応募先で店舗運営に関われる道筋を調べ、その仕事に自分の経験がどう重なるかを説明します。
退職を決める前に、応募先の条件と入社までの予定を固める
応募先を調べることと、今の仕事を辞めることは分けて進められます。在職中に応募できるなら、実際に提示される仕事と条件を見てから、転職するかを判断する方法があります。行きたい会社から探すか、紹介を受けて候補を広げるかは、飲食の求人の探し方で選べます。
内定後は、口頭の説明だけで判断せず、給与、担当業務、勤務地、勤務時間、休日、雇用形態、試用期間の条件を書面で確認しましょう。求人を見たときの希望と違う点があれば、入社を決める前に質問します。
そのうえで、現職の退職手続きと引継ぎに必要な期間を確かめ、応募先と入社日を調整します。収入の空く期間や転居費用が生じる場合は、その負担も含めて考えてください。
まとめ|今の仕事を離れて選ぶ理由があるかで判断する
未経験から飲食業へ転職するときは、「採用されそうか」に加えて、次の三つを確かめましょう。
- 今の仕事で変えたいことが、応募先で改善できるか
- 提示された収入と働き方で、生活を続けられるか
- 前職の経験を生かしながら、希望する仕事へ進めるか
条件に合う求人があれば応募して詳しく話を聞き、分からない点は質問します。譲れない条件に合わなければ、別の会社や募集職種を探す選択もあります。転職することを先に決めず、提示された条件を見て判断して構いません。
